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ココで働くヒトの話

ココヒト2017.5.30

「スヌーピーミュージアム」を支える4人の女性。開館から約1年、スヌーピーの聖地はいかにして作られたか?

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スヌーピーファンの聖地と言われるシュルツ美術館の世界初のサテライトとして、2016年4月に六本木に開館した「スヌーピーミュージアム」では、現在、開館1周年記念展「ピーナッツ・ギャング・オールスターズ!」が開催中です。
開館から約1年間で来場者数57万人を突破し、六本木の新名所としてますます飛躍し続けるこのミュージアムを、立ち上げから支えている4人の女性に、そのプロジェクトの秘話を聞いてみました。

写真左より、「スヌーピーミュージアム」の宣伝PRを担当するソニー・クリエイティブプロダクツ コンテンツ事業本部広報宣伝課 徳永祥子さん、ミュージアムショップ「BROWN’S STORE」の商品編成企画やカフェ「Cafe Blanket」のコーディネートなどを担当するソニー・クリエイティブプロダクツ PEANUTS推進本部PEANUTS推進部 横関悦子さん「BROWN’S STORE」の商品の企画・制作を担当するソニー・ミュージックコミュニケーションズ MD&プランニングカンパニーMDマーケティング部 高渕弘美さん「スヌーピーミュージアム」の営業、契約関連等、運営管理を担当するソニー・クリエイティブプロダクツ PEANUTS推進本部スヌーピーミュージアム推進部運営管理課 野口由美さん
 

 

――まずは「スヌーピーミュージアム」開館1周年を迎えた感想をお聞かせください。
横関さん(以下、横関) 2015年の春くらいから準備を始めたのですが、あっという間だった気がする一方、あまりに濃い期間だったため、まだ開館からたった1年しか経っていないの?という不思議な感覚です。
高渕さん(以下、高渕) まだ箱もない更地の状態からのスタートでしたので、どんな雰囲気にすればいいのか、本当に手探りの状態で、デザインを考えていくのはすごく大変でした。
野口さん(以下、野口) ミュージアムで働くスタッフも、オープン当初は初めての人ばかりだったので、うまくできないことや何がどこにあるかわからないことも多くて、ハラハラしました。でも、今となっては、全員、立ち居振る舞いも含めて完璧! それもすごく嬉しいですね。
徳永さん(以下、徳永) この1年、「スヌーピーミュージアム」とともに、みんなで一緒に成長してきたという感じです。

ソニー・クリエイティブプロダクツにて経理、営業、ライセンス・販売推進・資材担当、プランナーなどを経験後、ソニー・ミュージックコミュニケーションズに異動。「スヌーピーミュージアム」開館を機に再びソニー・クリエイティブプロダクツに戻り、営業・管理を担当している野口さん

  



――ミュージアム設立が決まった後、企画段階で、一番こだわられたことは何ですか。
横関 まず、本国アメリカの西海岸をイメージするような空間づくりを意識しました。
高渕 その世界観を作るために、横関さんと一緒に本国のシュルツミュージアムに行った後、西海岸のセレクトショップなどを巡って、あんな空間がいいね、こんな空間がいいねと、リサーチをしてきました。
横関 日本にいながらにして「ピーナッツ」の原画が見られるというのがこのミュージアムの大きな特徴ですから、アメリカまで行かずとも東京で「ピーナッツ」の世界を感じることができる、そんな非日常の空間を作りたかったんです。
徳永 貴重な原画が展示されるということで、“ミュージアム”というキーワードを大事にしました。ファミリー向けのアミューズメントパーク的なものではなく、1人でもカップルでも楽しめる都会的な空間を意識しました。その意味では、郊外ではない東京・六本木という立地に恵まれたこともすごく良かったと思います。

――半年ごとにテーマを変え、展示も入れ替えていますが、これまでのテーマに込めた思いをお聞かせください。
横関 第一回展は「愛しのピーナッツ」というテーマで、原作者のシュルツ氏の奥様自らに選んでいただいて、想いのこもった原画を展示しました。第二回展は、知っているようで知らなかったスヌーピーを深く知ることができる「もういちど、はじめましてスヌーピー。」をテーマにしました。さらに今回の1周年記念展は、「ピーナッツ・ギャング・オールスターズ!」と題して、スヌーピーだけじゃない、深みのある登場人物たちにスポットをあて、それぞれのキャラクターをエピソードとともに紹介しています。このように半年ごとにテーマを変え、一度来た方がもう一回足を運びたくなるようにするにはどうしたらよいかを考えて、テーマに連続性を持たせることで、「ピーナッツ」の世界を深堀りすることを意識しました。



ソニー・クリエイティブプロダクツに入社後、さまざまなキャラクターのクリエイティブを担当し、2011年より「ピーナッツ」のライセンスビジネスのマーケティングやクリエイティブに携わっている横関さん



徳永 半年ごとにテーマを変えることができるというのは、私たちが訴えたいコンテンツの方向性を毎回組み立てていけることにつながるので、非常に良いと思っています。というのも、日本ではスヌーピーが突出して人気があり、また、グッズは好きだけど、絵本やコミックは一度も読んだことがないという方も少なくありません。ミュージアムができたことで、「ピーナッツ」の本家本元はコミックであること、さらにその世界観は原作者であるシュルツ氏の人生観であることをアウトプットできるようにもなりました。日本におけるエージェントの立場で、我々が世界観を深堀りし、それを伝える場を作り発信することによって、より多くの方に更なる「ピーナッツ」の魅力を知っていただきたいと思っています。


ソニー・クリエイティブプロダクツに入社後、ライセンス及びセールスプロモーション営業を経て、現在は「ピーナッツ」はじめ「きかんしゃトーマス」「ピーターラビット」「リサとガスパール」「ジョエル・ロブション」他、全コンテンツの宣伝マーケティング及び広報を担当している徳永さん

 

 

 


――ミュージアムショップで販売するグッズに関しては、豊富な品数が話題になっています。

横関 せっかくミュージアムを訪れてくださったお客様のためにここでしか手に入らないものを作ろうと決意しました。原画を通してピーナッツの魅力を体感してくださった皆様が手に取りたくなるような、ミュージアムならではの個性を持った商品を実現してきました。また、ライセンシーパートナーの方々にとってのアイディアの場でもあり、ショーケースのような存在も目指しています。ミュージアムでのグッズの開発と制作は、同じソニーミュージックグループのソニー・ミュージックコミュニケーションズにお願いしました。
高渕 ソニー・ミュージックコミュニケーションズの当部署では、普段アーティストグッズやコンサートグッズを制作しており、スタッフは皆とても忙しい時期だったのですが、「スヌーピーミュージアム」のグッズ制作を担当してくる人を募集したところ、すごい人数が手をあげてくれたんです。営業チーム、デザイナーチーム、購買チームの大勢の力があってなんとか開館までに550もの商品を作り上げることができました。
横関 「ピーナッツ」を好きなスタッフが、1アイテムづつ、想いを込めて企画しています。
高渕 ショップに全アイテムが並んだときはものすごく感動しました。しかも、オープンするとお客様が取り合うような状態になるくらい、一気に商品が売れていって、とても嬉しい気持ちで見ていました。
徳永 オープンしてすぐの昨年のゴールデンウィークは、商品があっという間に売れてしまって、休日返上で社員総出で品出しをしました。いい思い出になっています。

ソニー・ミュージックコミュニケーションズにて、普段はコンサートグッズやアーティストグッズの企画・制作を手掛けている高渕さん



――ショップやカフェのディスプレイに関してはどのような点に留意されましたか。
横関 ショップもカフェも、お客様にときめきを感じていただくことが重要だと思っています。入った途端に、気持ちが上がって、来てよかった!と感じたり、思わず商品を手に取っていただけたらいいなと。そのために、会期毎に、新鮮な驚きやときめきを感じていただけるよう、季節感を大切に、ディスプレイや商品構成を大きくアレンジしています。
徳永 このミュージアムでは、とにかくなんでもやってみようという気持ちで様々なことにトライしています。キャラクターのライツビジネスを展開するソニー・クリエイティブプロダクツが、はじめて手掛けるミュージアム事業ですから、ここでのチャレンジが会社の財産となって、他のコンテンツ戦略にも活かせるようになればと思っています。
野口 いろいろとやってみなければ、何がお客様に喜んでいただけるのかわかりませんからね。試してみてダメだったら次はやらなければいいし、良ければ続けていけばいい。とにかく1回は試してみましょうとみんなで決めています。
徳永 集客PRについても、効果の有り無し含めてノウハウが蓄積できています。内覧会開催・CM・タレント起用・交通広告・WEB施策など、あらゆる宣伝手法を試すことのできる良い機会にもなりました。

世界中でここにしかないオリジナルの品ばかりを揃えたミュージアムショップ「BROWN’S STORE」

 

――今回の1周年記念展で新たに挑戦されたことはありますか。
徳永 来場されたお客様ご自身がSNSに写真などをシェアしてくださることで、かなりの宣伝効果が得られたのですが、残念ながら二回展まではフォトスポットが限られていたために、アップされる写真はどうしても似かよったものとなっていました。しかし今回は、これまで撮影不可だった原画の展示コーナーでも一部を除き撮影をOKにする英断を下しました。今、SNSでの拡散はPRのトレンドになっていますからね。
野口 本当に原画の撮影をOKにしていいのか、最後の最後までかなり議論しましたが。
徳永 みんなで悩みに悩んだ末、満を持しての解禁になりましたので(笑)、お客様にはぜひ、ミュージアムのいろいろなところで撮影して、写真をシェアしていただきたいですね。

今回の展覧会から撮影OKとなった原画展示コーナー。本国のエージェントを説得して実現することに



――最後にみなさんの今後の目標を教えてください。
野口 昨年の8月くらいから旅行会社さんとも連携したことによって、インバウンドの来客数が上がってきているのですが、今後どんなことをすればもっと来場者数を増やせるのかを考えて、それを実現するのが私の目標です。
徳永 私もPRという立場から、インバウンドの促進を目指して、海外に向けてのPR活動には今後も力を入れていきたいですね。というのも、当社が扱う海外キャラクターは日本国内での展開に限られるものも多く、まだまだ海外へ情報発信する機会が少ないのです。そんな中、「スヌーピーミュージアム」は海外のメディアにも取材に入ってもらえるなど、海外とのルートが持てるので、インバウンドに関するトレンドを知ることができます。成功も失敗もありつつですが、他のコンテンツにも活かせるようノウハウを溜めていきたいですね。また、リピーターを増やすために、もう一度行きたいと思っていただくにはどうPRすればよいのかも大きな課題です。今現在も初めて来場される方も多く、前売り券を買わなければいけないというハードルがある中で、何度行っても楽しめるという奥行きを見せることを考えなければと思っています。
高渕 商品開発の立場としては、今以上にさらに商品をステップアップさせたいですね。お客様に喜んでもらえるものを作れるよう、まだまだ成長したいと思っています。
横関 三期目となる1周年記念展が始まり、すでに次の会期に向けて企画が始動していますが、今後も新しいことに挑戦しながら、皆様に愛されるミュージアムを目指して、さらに盛り上げていきたいと思っていますので、「スヌーピーミュージアム」をどうぞよろしくお願いします。

 

「スヌーピーミュージアム」公式サイト http://www.snoopymuseum.tokyo/


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