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ココレポ2017.11.14

お別れまであと1年……『スヌーピーミュージアム』第4回展のテーマ「恋」の魅力とは?

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昨年4月、東京・六本木にオープンした『スヌーピーミュージアム』。当初から期間限定のオープンがアナウンスされており、閉館まで残り1年、5回予定されているテーマごとの展示も残すところ2回のみとなった。

 

そんな中、10月にスタートし、2018年4月8日(日)まで開催される第4回展では「LOVE is Wonderful–恋ってすばらしい。」をテーマに、約80点の貴重な原画やオリジナル映像などで、ピーナッツ・ギャングたちが織りなす恋のエピソードが綴られている。

 

また新商品約200点を含む約600点のミュージアム限定グッズや、新メニューが加わったカフェもお楽しみの要素としてファンには見逃せないポイント。

 

胸キュンエピソードが満載の第4回展の見どころと併せて、改めて『スヌーピーミュージアム』の魅力をレポートする。

 

 

 

巨大なチャーリー・ブラウンとスヌーピーがお出迎え

 

数多ある『ピーナッツ』のストーリーの中には、恋にまつわるエピソードもたくさん存在する。

 

憧れの「赤毛の女の子」を前にため息を漏らすチャーリー・ブラウン、シュローダーのことを一途に想い続けるルーシー、結婚式の直前に兄スパイクに花嫁を奪われてしまうスヌーピー……。今回の「LOVE is Wonderful–恋ってすばらしい。」ではどんな恋物語が見られるのだろうか? さっそくその見どころをお伝えしていこう。

 

 

展示エリアの最初のスペースは『ピーナッツ』の世界観への導入部となるホールだ。平日の新聞各紙で連載されていたデイリー版コミックを無数に使ったモザイク壁から、チャーリー・ブラウンとスヌーピーが浮かび上がり、来場者を迎えてくれる。

 

もうひとつの壁面には『ピーナッツ』の作者、チャールズ・シュルツさんの生涯を辿る写真が並び、部屋の中心には季節ごとに装飾が変わるスヌーピーの犬小屋のオブジェが飾られている。

 

オープニングアニメーションが終わると、作者シュルツさん自身の恋のエピソードが待っている

 

最初の展示エリアが終わると、次に待っているのはシアター。こちらでは、企画展ごとに作られたオリジナルのオープニングアニメーションが上映され、今回の展示内容のテーマを映像で楽しめるようになっている。

 

 

今回は冒頭に「すべての恋のはじまり。」という言葉が映し出された後、丸頭の男の子と女の子のスケッチが現われる。そしてスヌーピーをはじめとしたキャラクターたちの恋物語の断片が映し出され……。

 

TVアニメともまた違う、原画をベースにした、ここでしか見られないキュートなアニメーションを楽しむことができる。

 

 

アニメーションルームを抜け、次に飛び込んで来るのは、チャールズ・シュルツさんと、彼の初恋の女性ドナさんの大きな写真パネル。そしてオープニングアニメーションでも映し出されたスケッチ原画だ。

 

実は、このスケッチ原画は、シュルツさんと同僚だったドナさんのメモ帳にシュルツさんが描いたものだという。会場でスヌーピーとともに作品解説をしてくれた「チャールズ・シュルツ・クリエイティブ・アソシエイツ」出版部門のディレクターを務める、レックス・ファハルドさんは語る。

 

第4回展オープンの前日に行なわれた関係者向け内覧会で、シュルツさんの恋について説明するレックス・ファハルドさん。※スヌーピーが会場にいる日は限られます

 

「この写真を撮った頃、シュルツさんは自身の作品を新聞社に売り込んでいたそうです。そして作品が採用され漫画家への道が大きく開いた時、好きだった赤毛の女の子(ドナさん)に告白したのですが、残念ながら失恋してしまったのです。彼の思いは遂げられなかったんですね」

 

漫画家への道と、恋。ふたつを同時には成就させられなかったけれど、失恋の痛手は、その後のコミックに生かされていくことになる。

 

ピーナッツのコミックに出てくる恋は、一方通行ばかり?

 

シュルツさんの失恋は、恋の描き方に大きな影響を与えている。それは『ピーナッツ』で描かれている恋模様のほとんどが一方通行、つまり片想いであることからもわかる。

 

「『ピーナッツ』に出て来る恋の共通点は、ほとんどが一方通行、つまり片思いで終わってしまうということ。そしてもうひとつ大事な共通点が、失恋しても、みんな次の恋に落ち、恋が連続していくということ。そうして読んだ人が、それぞれ自分の恋の体験と重ね合わせることができるのです」(レックスさん)

 

 

ピアノばかりに熱中し、ちっとも振り向いてくれないシュローダーを一途に思い続けるルーシー。彼女はその時だけ、ガミガミ屋の普段とはかけ離れた乙女心を見せる。

 

 

ほかにも赤毛の女の子を想うチャーリー・ブラウン、サリーとライナス、そして、結婚式の当日に、兄スパイクに花嫁を奪われてしまったスヌーピー……。今回の展示では、そうしたカップルごとの恋模様を、水玉やドット柄を用いながら次々と紹介している。

 

『スヌーピーミュージアム』のクリエイティブディレクター・草刈大介さんにもお話を伺った。

 

 

「今回の展示会のデザインで楽しんでもらいたいのは、カップルごとに作られた名前のプレート。1950年代のアメリカのアニメーションや子供向け商品のパッケージなどの雰囲気をもった、いい意味でチープで、どこか懐かしい、我々がチープアンティークと呼んでいるポップな印象のものになっています」

 

そして展示で特徴的なのは、壁を埋め尽くす色とりどりのドット模様だ。

 

「壁面のドットもカップルごとにいろいろなタイプがあって、合計1万個も使っています」(草刈さん)。

 

青い壁に貼られた白のドットは『星空の恋』を表現するなど、キャラクターたちの特徴や、それぞれの恋物語で沸き起こる感情を想起させ、見ている側の気分も盛り上げてくれる。

 

また、ドット柄の中には、『ピーナッツ』の翻訳者として知られる谷川俊太郎氏の詩も隠れている。いくつあり、どんなことが書かれているのかは、ぜひミュージアムに足を運んで自身の目で確かめてもらいたい。

 

 

 

コミックを読んで深まる世界

 

『ピーナッツ』の恋の物語は1回分のコミックで完結するものはほとんどない。連続した何日かに及ぶストーリーや、繰り返し登場するものなど、数回分の原画を見るだけでは、その恋の顛末やキャラクターの気持ちの揺れ、動きが理解しにくい場合もある。

 

そこで会場では一連のストーリーを、日本語の吹き出しが入ったスライドショーでも見せている。

 

例えばスヌーピーの初恋。アイス・スケートをしていて出会った女の子のビーグルと相思相愛になったスヌーピー。しかし彼女の父親に反対されてしまい、失恋の憂さをやけ食いで晴らす。

 

おなかがパンパンに膨らんだスヌーピーのコミック原画の背景には、そんなストーリーがある。

 

「すべての原画はないので、前後のコミックをスライドショーで見ることによってストーリーに入り込みやすいと思います。ストーリーを理解してもらってから原画をあらためて見ると、恋の話がよりスッと心に入って来るのではないでしょうか」(草刈さん)

 

『ピーナッツ』の原点がコミックであり、今回の展示会もその世界観がしっかり伝わる構成になっている。また、「恋」という誰しもが身近に感じるテーマだけに、キャラクターたちの心の揺れや動きを感じ取ることができるのも、今回の展示会の大きな特長といえるだろう。

 

 

“LOVE”の本当の意味、そして次の最終展へ

 

最後に、本展の楽しみ方を『スヌーピーミュージアム』館長の中山三善さんにも伺った。

 

「今回の展示会のポスター、雨が降ってるんですよ。恋なのに雨? 寂しいじゃないか! って思ったんですけど、『スヌーピーミュージアム』のアートディレクターの祖父江慎さんに伺ったら、『恋はお天気と同じ』とおっしゃる。なるほど、恋がうまくいきそうな時はウキウキした晴れの気持ちになるし、うまくいかなければ曇りや雨、時には雪が降ってるような気分にもなる。雨は恋する心情を表わしているんですね。展示を通して、そうしたいろいろな恋模様を感じてもらえたらうれしいです」

 

最後にレックスさんから今回の特別展についてひと言。

 

 

「今回の展示の英語タイトルには“LOVE”という言葉が入っていますが、この“LOVE”には、愛と恋、両方の意味が込められています。

 

ロマンチックな恋の物語だけでなく、チャーリー・ブラウンがスヌーピーを想う気持ちや、スヌーピーとウッドストックの友情なども“LOVE”と表現できます。

 

そう考えると『ピーナッツ』という作品の根幹に“LOVE”の概念であり、『ピーナッツ』の物語のほとんどに、なんらかの形で“LOVE”が存在していることに気づかれると思います」

 

“LOVE”をテーマにした第4回展は、最終回となる第5回展への伏線にもなっているという。

 

「2年半にわたり日本で愛されてきた『スヌーピーミュージアム』の最終回、第5回展は、友情がテーマになります。そして日本での『スヌーピーミュージアム』はこの5回目の企画で終了となります。

 

ですから『スヌーピーミュージアム』を知らなかった方、知っていたけどまだ来れていない方には、ぜひ一度足を運んでほしいです。サンタローザのシュルツ美術館から持ってきた原画を見ていただいたら、きっと今まで知らなかった『ピーナッツ』の新しい一面を発見できると思います」

 

趣向を凝らした限定商品

 

最後に、毎回の展覧会の大きな楽しみである、企画に合わせたミュージアム限定グッズやカフェのメニューもご紹介しよう。

 

曜日ごとに異なる絵柄が登場するTシャツ(2,500円+税)やトートバッグ(1,600円+税)、ハート形のボックスに入ったマシュマロ(800円+税)、失恋しやけ食いして太ったスヌーピーのぬいぐるみ(3,000円+税)など、展示されているコミックとともに楽しめるグッズが揃う。

 

 

 

またカフェブランケットのメニューには、「ルーシーとシュローダーのオープンサンド(1,630円+税)」や「ブラウニー・チャールズの恋のサンデー(1,100円+税)」などが登場している。

 

 

 

終了まで1年を切った『スヌーピーミュージアム』。『ピーナッツ』の核となるテーマのひとつである“LOVE”は、まさにフィナーレ直前のクライマックスにふさわしいテーマだ。

 

それを余すところなく体感させてくれる今回の特別展、すでにミュージアムを訪れた『ピーナッツ』ファンはもとより、未体験の人々にもぜひ訪れてみてほしい。『ピーナッツ・ギャング』を通して、あなたの記憶の中にもある「恋」が、きっとよみがえるだろうから。

 

スヌーピーミュージアム 

特別展「LOVE is Wonderful–恋ってすばらしい。」

2017年10月7日(土)〜2018年4月8日(日)

会期中無休(12月31日〜1月2日をのぞく)

入館料

前売券一般 1,800円 大学生 1,200円 中学・高校生 800円 4歳~小学生 400円

当日券一般 2,000円 大学生 1,400円 中学・高校生 1,000円 4歳~小学生600円

 

「スヌーピーミュージアム」公式サイトはこちら 

 

権利表記

© Peanuts Worldwide LLC

 

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